今回は断熱性の違いによる熱の収支

についてのお話です。

 

多くの人が家づくりを考える時に

『ちょうど良い断熱性能』

の見極めに悪戦苦闘しているのでは

ないでしょうか?

 

・冬や夏、梅雨時期の快適性を一番に

・窓が結露しない家にしたい

・上がり続ける光熱費を極力抑えたい

・住宅寿命が長く、耐久性良い家に

・維持費を極力抑えたい

・省エネで環境に配慮した家に

etc….

 

何を目的にしますか?

2つ3つだけでしょうか?

それとも全てでしょうか?

 

結論から言うと目的がどれであれ

予算が許す限り目一杯高断熱化

するべきです。

 

もちろん、どれも高断熱化だけで

叶うものはありません。

 

・経年劣化を考えた緻密な気密処理

・内外水蒸気流入を考えた気密処理

・家外皮全域にわたる熱橋処理

・メーカー任せにせず、空気の移動に

最大限配慮した換気計画

・メンテナンス費を最大限抑えられる

内外装仕上げの選定

・最大限配慮した耐震性

 

これら全てを出来る限り最大限取り

入れて叶うコトです。

 

では、これら全てを押さえられている

という前提で、断熱性能の違いでど

のような差が出てくるのか?

今回、断熱性能の違う家の冬季の

熱の収支を提示しつつ、その内容を

一緒に見ていきたいと思います。

 

 

【 暖房期の熱収支 】

 

・福岡県

36坪の一部二階建て

・ほぼ正方位の配置

4人家族(大人2子供2)

を前提条件として、冬季の熱の

収支を見ていきます。

 

温熱環境維持の為の熱の収支は

家の家計と同じで『収入』があり

『支出』がはじめて成り立ちます。

借金や貯蓄の概念は今回は忘れ

てください。

 

パッシブハウスレベルの断熱性

HEAT20G3以上)

の熱収支を表したグラフが下図

になります。

 


 

見方として、

熱取得が『収入』で

熱損失が『支出』となります。

貯金や借金の概念は今回考え

ないので、『収入』=『支出』と

なります。

 

『支出』(熱損失)から見ると、

   外皮から逃げる熱は、壁、

屋根、基礎、窓、玄関ドア等から

逃げる熱の割合です。

そして、

   換気や窓・玄関ドアの開閉等

から逃げる熱の割合となります。

 

一方『収入』を見てみると

   窓や屋外に面する表面から

得られる熱取得

   人の熱(1100w程度)、

照明や家電や浴室の湯張り等

から得られる熱取得

   そして、支出に対してこの

足りない部分が暖房機器にて

補う熱取得となります。

 

このレベルの断熱性では、冬季

では1㎡あたり45kW程度の熱の

収支が行われているということ

になります。

冬季全体で言うと36坪なので

5355kWの熱の収支となります。

 

 

次に、最近よく聞くようになった

HEAT20G2レベルの断熱性の

熱収支を横に並べたグラフが

下図になります。


 

 

断熱材の厚みや範囲、窓の

仕様等も落ちていきますので、

1㎡あたり106kW程度の熱の

収支が行われている状況と

なります。

冬季全体で言うと36坪なので

12615kWの熱の収支となります。

 

注目すべきは

『足りていない熱の収入』で

暖房負荷が約7倍程度の

違いが出ています。

 

グラフが見にくいと思うので

同じ単位感でグラフを表示

し直すと、下図のようになり

ます。

 


 

熱の収支は2.3変わります。

また、単純計算で、冷房除湿需要

まで加味すると年間約146,000

程度の光熱費差となります。

26/kW計算)

35年の住宅ローン期間で言えば

5,110,000円の差です。

 

よく言われますが、夜間電力等

安い時間帯を加味するともちろん

差は減りますが、年平均3%

光熱費が上昇していくと仮定す

れば逆にもっと開いていきます。

(昨年の上昇率は20%以上)

 

 

働き方や家族構成、間取りや

間欠運転等を加味していくと

もう少し変わりはしますが、

自社だけでなく、他社さんで建て

た方々も含めた実測データを

見ている限り、そんなに大きな

誤差は今のところありません。

 

採用する窓にも大きな差があり

日射取得の差にも触れたかっ

たのですが下記バックナンバー

をご覧いただき、今回は割愛さ

せてもらいます。

 

バックナンバー↓↓↓

smartwin『佐藤の窓』

 

 

断熱性が全てではありませんが、

それでも超高断熱化以上に費用

対効果の良い家づくりは無いの

ではないでしょうか。

 

早くより詳しく知りたいという方は

是非一度ご予約の上、私の話を

聞いてみてください。

 

 

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