【 後悔しないための家づくり知識 】

~ 結露について(内部結露編) ~

 

 

 

だいぶ寒くなってきて来週以降は急激に冬の気候になっていき

そうですが皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

私は本日も今年梅雨頃にお引き渡ししたオーナー様宅へご訪問

しましたが、まだまだ24時間無暖房で半袖で快適とのお声を

いただき嬉しい限りでした。

 

本日はこれから体感的に感じる冬の寒さ、ではなく、家づくりで

確実におさえておかないと後悔してもどうしようもなくなって

しまう、見えない壁や小屋裏、屋根、床、基礎内部の中で起こる

内部結露について、計算ツールをお見せしながら詳しく話して

いこうと思います。

 

前回の結露の基礎編でも話した通り、この“ 結露 ”をどのレベルで

考えているかで家づくりの質に雲泥の差が生じます。

それは経済性にも、耐久性にも、耐震性にも、健康にも、

快適性にも大きく関わってくることだからです。

では早速話していきましょう。

 

 

 

快建築舎のブログは、今から家づくりを始める方々に是非最初に

読んでいただき、経済的で快適かつ安心安全健康のマイホーム

を目指す方々の参考になる家づくりのプロしか知らない情報を

発信できればと思っています。

そして、後悔のない充実した、地球環境に寄与したエシカルな

家づくりを実現して欲しいとの思いで書かせてもらっています。

 

このブログはシリーズ化していこうと思いますので、前の

ブログをまだ読まれていない方は下記リンク先よりまず

バックナンバーから読むことをお勧めいたします。

↓↓↓

 

~ 断熱性能について その① ~『基本編』

 

~ 断熱性能について その② ~『根拠編』

 

~ 断熱性能について その③ ~『みんなが知りたいコスパ編(実例・電気代について)』

 

~ 断熱性能について その④ ~『最初に考えるべき究極の電気代削減思考(1)』

 

~ 断熱性能について その⑤ ~『最初に考えるべき究極の電気代削減思考(2)』

 

~ 断熱性能について その⑥ ~『まとめ』

 

 

~ 結露について(基礎編) ~

 

 

 

 

 

 

【結露のおさらい】

 

前回のおさらいをざっくり簡潔に言うと、

 

    結露とは、空気中にある目に見えない水蒸気が冷やされ、

液体として現れる現象のことです。

 

    空気中には気温ごとに水蒸気を含むことのできる限界

が決まっています。

 

    空気1㎥中の限界値に対して何%の水蒸気が含まれて

いるかを示したものが “ 相対湿度 ” と呼ばれ、生活の

中で「湿度が何%」という言葉を使っていると思います。

 

    相対湿度が100%以上になると結露が起こります。

 

    相対湿度が100%になる温度のことを“ 露点 ”と言い、

結露し始める時の温度のことを言います。

 

以上を踏まえて本日の内容に触れていきます。

 

 

 

【水蒸気拡散(透湿)】

 

次に内部結露を説明するうえでもう一つ知っていて欲しい

知識があります。

木材やコンクリート、建築資材には目に見えない小さな

孔(あな)があり、液体や水蒸気や空気などで満たされて

います。

また、水蒸気は濃度の高い方から低い方へ移動する性質が

あり、建築資材の孔を通って水蒸気が移動していくこの

現象を、“ 水蒸気拡散(透湿) と言います。

 

また、建築資材それぞれに水蒸気拡散現象の起こりにくさ、

つまりは、湿度(水蒸気)の通りにくさの度合いをあらわ

した、“ 透湿抵抗 ” というものがあります。

 

やや難しいのですが、まとめて簡単に言うと、

私たちが生活する内外の空気中には必ず湿度(水蒸気)が

存在し、それらは目に見えなくとも、実は壁の中をすり抜けて

屋内外を行き来しているということです。

そしてその行き来のしにくさをあらわしたものを透湿抵抗

いいます。

 

透湿抵抗は建材(木、コンクリ、断熱材、せっこうボードなど)

ごとによって変わってきます。

そして、熱を通しにくい性質をあらわした熱伝導率も、これら

種々の建材、断熱材ごとに変わってきます。

 

 

 

【結露計算】

 

ここまで話してきた、

屋内外の【温度】・【湿度】・【露点】と、

家の外部に面する壁、屋根、天井、床、基礎等の断熱材が入った

室内外の境界の断面に使われている断熱材を含む建材それぞれの

【透湿抵抗】・【熱伝導率】を使用して、

屋内外のある温度や湿度の状況の時に、普段見ることのできない

断面内部に結露が生じているかどうかを、結露計算ツールを使っ

て検証していくことが可能です。

 

 

ここまで話した難しいことはさておき、知らず知らずの内に躯体

を腐らせてしまう内部結露を起こす断面構成、断熱仕様になって

いるかどうかを計算によって確認できるという事を覚えておいて

欲しいです。

いや、この結露計算によってでなければ検証が出来ないです。

それか一度壁を剥がして確認するかです。

 

なぜここまでする必要があるのか?

それは、ある大手建材メーカーが出している物でも、かなり高い

確率で内部結露を起こしているという事実、

また、正しい断面構成が出来ていなくて、かなり高い確率で

内部結露を起こしているリスクが、現に建てていっている建物に

もあるからです。

もちろん、結露計算の検証の末、正しい断面構成を採用したと

しても、施工品質の悪さから知らずの内に内部結露を起こす

可能性は大いにあります。

 

ただ、まずはこの結露計算の検証もせずに断面構成を決めている

ことはあってはならないので、是非とも最重要項目として

今から家づくりをするみなさんには確実に確認して欲しいのです。

 

 

 

【検証】

 

断熱材の名称等は伏せますが、とある外壁の断面構成で検証して

みました。

 

内部結露には冬場の内部結露と夏場の内部結露がありますが、

まずは夏場の内部結露から。

室内温度22℃ 湿度50%、 室外温度34℃ 湿度65

とし、結構冷房で冷やしている状況を想定します。

 

詳しい説明は省略しますが、条件入力して赤青の棒線グラフが

交差しない、表の相対湿度の数字が100%を超えなければ

内部結露を防げます。

 

 

上図にある通り、このある断面構成で夏場の結露には問題ない

ことが分かりました。

 

 

 

次に全く同じ断面構成で冬場の結露を見てみます。

室内温度25℃ 湿度50%、 室外温度-1℃ 湿度75

とし、氷点下の日に雪が降って屋外湿度も高めを想定します。

そうすると

 

 

この通り、結露が発生することが分かりました。

 

 

また、同じ断面構成で、ここ最近の朝方の状況を想定して

みます。

室内温度25℃ 湿度50%、 室外温度8℃ 湿度40

 


 

やはり内部で結露が発生してしまうことが分かりました。

今の段階でも結露が発生するという事は、11月からこの先

2~3か月は見えない壁の中で、朝方数時間は内部結露が

ずっと発生していることが想定されます。

 

 

 

また、やはり名称は伏せますが、別の断熱材での断面構成

で、内部仕上げを一般的なクロス仕上げを想定してみます。

 


 

やはり、内部結露が発生することが分かりました。

 

 

 

【まとめ】

 

世の中には数多くの断熱仕様、断面構成の家づくりがあります。

今回その少しだけをピックアップしてご紹介しましたが、知ら

ないだけで内部結露リスクにさらされている仕様が数多く目に

とまります。

それは、今回お見せした壁だけではなく、屋根やその他にも

言える事です。

 

繰り返しになりますが、この内部結露が起きると、知らない

うちに壁内で木材や建材が塗れた状態が続き、カビが生えたり

接している木材に腐朽菌が繁殖して腐っていったりするリスク

があります。

 

そうなると、想像できると思いますが、躯体が腐って耐震性

が落ちたり、知らずの内にカビの胞子を吸ったりと、健康にも

耐震性にも、耐久性にも、メンテナンスコストがかかるという

経済性にも多大な影響を及ぼしてしまいます。

 

時々、「内部結露は寒い地域だけ」や、「このメーカーが保証

しているから」や、「うちは大丈夫です」という言葉を

よく聞きますが、今回示したような計算実証根拠の

確認なくしては安心できません。

私自身建材メーカーの営業マンから言われて売り込みを

かけられたことが多々あります。

 

 

全てに理由があり、それを証明できる根拠を提示出来

なければ意味をなしません。

高気密高断熱高耐震というだけでは、この耐久性を

確保できるかどうかは分からないのです。

 

大切なことは目に見えない部分に多くあり、それを

確実におさえていけるかどうかが、本当に高性能で

長持ちしてランニングコストのかからない経済的な

より良い家づくりになるかどうかのカギとなります。

 

 

 

「自分の家の断面構成が内部結露しないか気になる!」

という方は、ぜひぜひご相談お問い合わせください。

ここでは語れなかった詳細な説明と計算根拠をもって

検証させていただきます。

 

 

 

 

以上、今回は耐久性の核心に迫った内部結露について

話しをさせていただきました。

 

次回はこれまで濃ゆすぎた内容から少し離れて、もう少し

身近に感じる土地や造成、擁壁などの注意点について話して

いきたいと思います。

 

 

 

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この他の家づくり全般に関する大切な話を少しでも早くに詳しく

直接聞きたいという方はぜひぜひ、お早めにお問い合わせの上、

ご予約ください!

 

 

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