【 後悔しないための家づくり知識 】

~ 結露について(基礎編) ~

 

 

 

多くの方に早く続きを読みたいというお声や、好評をいただいて

いるにも関わらず、実務が立て込んでいてまたちょっと間が

空いてしまいました...申し訳ございません...

 

 

快建築舎のブログは、今から家づくりを始める、経済的で快適

かつ安心安全健康のマイホームを目指す方々に向けて、家づくり

のプロでしか知りえない有意義な情報を少しでも分かりやすく

発信できればと思っています。

そして、後悔のない充実した、地球環境に寄与したエシカルな

家づくりを実現して欲しいとの思いで書かせてもらっています。

 

 

今回は家づくりで絶対に押さえておきたい最重要項目の一つ、

“ 結露 ” について語る前段階の基礎知識を書いていこうと

思います。

 

 

“ 結露 ”  という言葉を聞いてほとんどの方はなんとなく、

「ああ、アレのことね」

と、想像できると思います。

でも、どうやって起こる、どんなところに起こる現象なのか、

家づくりにおいてなぜ最重要項目の一つなのかを正しく答え

られる方は多くないと思います。

 

 

この “ 結露 ”  をどのレベルで考えているかで家づくりの

質に雲泥の差が生じます。

それは経済性にも、耐久性にも、耐震性にも、健康にも、

快適性にも大きく関わってくることだからです。

では早速基礎から触れていきましょう。

 

 

 

このブログはシリーズ化していこうと思いますので、前の

ブログをまだ読まれていない方は下記リンク先よりまず

バックナンバーから読むことをお勧めいたします。

↓↓↓

 

~ 断熱性能について その① ~『基本編』

 

~ 断熱性能について その② ~『根拠編』

 

~ 断熱性能について その③ ~『みんなが知りたいコスパ編(実例・電気代について)』

 

~ 断熱性能について その④ ~『最初に考えるべき究極の電気代削減思考(1)』

 

~ 断熱性能について その⑤ ~『最初に考えるべき究極の電気代削減思考(2)』

 

~ 断熱性能について その⑥ ~『まとめ』

 

 

 

 

 

【 結露とは...】

 

 

結露とは、

ある空気中の水蒸気が熱を放出して(冷やされて)凝縮し

液体として現れる現象のことです。

 

 

もっと詳しくに話すために、まずその前に知っておいて

欲しいこととして、“ 相対湿度 ”という言葉があります。

屋外でも屋内でもみなさんの目の前にあるこの空気中

には目には見えない 水蒸気という気体 が含まれて

います。

そして、その空気中には気温ごとに水蒸気を含むことの

できる限界(飽和水蒸気量)が決まっていて、その空気

1㎥中の限界値に対して何%の水蒸気が含まれているか

を示した指標が “ 相対湿度 ” と呼ばれ、生活の中でも

「湿度が何%で~」という言葉を使っていると思います。

 

 

なんとなく気づいた方もいるかもしれませんが、この

相対湿度が100%以上になると結露が起こります

ある温度の気体が

「もうこれ以上気体でいるのは限界です!」

となる = 相対湿度が100%以上になる

と、液体として現れるということです。

このことを物理の状態変化では “ 凝縮 ”

と言います。

 

 

世の中の『水』も含めた全ての液体や気体

の変化については物理学の状態変化の言葉で、

“ 気体 から 液体  に状態が変化するのを

“ 凝縮 ” と言います。

 

 

そしてこの凝縮する時の温度を 凝縮点 と言い、

液体の中でも特に『水』についての状態変化で、

水蒸気という気体から 水という液体へと

状態変化することを 結露 と言い、この時の 

凝縮点(温度) “ のことを “ 露点 ” と言い、結露

する時の温度のことを指します。

 


 

 

簡単にまとめると、

結露とは、ある温度の空気が冷やされることにより、

空気中の水蒸気が水となって現れること。

この水として現れる時の温度を露点という。

 

 

 

 

【 湿り空気線図 】

 

 

前述したとおり、飽和水蒸気量(水が気体として

居続けられる限界)は温度ごとに変わります。

そして、ある温度の時の露点温度は、その時点での

湿度によっても変わります。

 

 

これらを相対的にまとめて見やすくした図で、

湿り空気線図 というものがあります。

この 湿り空気線図 を使うことで、例えば今居る

空間の温度と湿度が分かれば、何度まで温度が下がれば

結露が始まるかが分かります。

 

 

その前に、

湿り空気線図 の見方としては、簡単に説明すると

・横軸(緑色)が私たちがよく使う温度(乾球温度)

・右上がりの曲線(赤色)が相対湿度(%)

となり、今回の話ではこの下図赤線で囲まれた数字と

グラフのみを見ていきます。

 

 

 

その他に

・縦軸(紫色)に絶対湿度

・右下がり斜線(水色)に湿球温度

・右下がり斜線(黒色)にエンタルピー

などがありますが、ここは今回使わないので無視して

下さい。

後々、絶対湿度については別ブログで使いますので、

その時こまかく説明します。

 

 

まず、今の部屋の温度と湿度を測ります。

例えば温度が25℃、相対湿度が50%だったとします。

そしてその時のそれぞれの値の線の交点を見つけます。

そうすると交点は下図の赤丸の位置になります。

 


 

 

 

では、この時の結露が始まる露点温度を見るには、赤丸

の位置から左へ水平に線をひっぱり、相対湿度100%の

曲線と交わる点をおさえます。

 


 

 

 

さらにその交点から鉛直方向下向きに線をひっぱります。

そして横軸(乾球温度)との交点の位置を見て書かれて

いる温度が露点温度となります。

 


 

 

 

つまり、温度25℃、相対湿度50%の空気を14℃まで

冷やすと結露が起こるということになるのです。

 

 

この湿り空気線図を使えば、上記のようにその空間、その

点での温湿度から露点温度を確認することができ、事前に

結露の防止・対策に役立てることができるのです。

 

 

 

 

【 表面結露 】

 

 

ここまでを踏まえ、本日最後のお話は、家づくりに関わる

2つの結露のうち 表面結露 についてです。

 

表面結露 とは文字通り物の表面で発生する結露の

ことです。

冷えたジュースを入れたガラスコップやビールのジョッキ

についた水滴も、先に話した通り、空気中の水蒸気という

水の気体が、グラス表面では冷やされることによって露点

温度に達して凝縮して(相対湿度が100%に達して)

水という液体として現れたものになります。

 

そして、家づくりの中でも起こる結露と言えば、窓の結露

です。

これも前述同様、冬場に部屋の中を暖房等によって暖めて

いる時に、外の気温が下がれば下がるほど、家の中でも

一番熱の出入りが多い外皮(屋外に面した部分)は窓

ので、窓表面の熱が屋外へ逃げていき、窓の屋内側表面

の温度が下がり、空気中の水蒸気が露点温度に達して

凝縮して結露を起こしているのです。

 

じゃあどうやったら窓の結露を防止できるのか?

答えは単純ではなく、

(1)   断熱性能の高い窓にして(U1.0以下)、

(2)   その他の壁屋根基礎などの断熱も高くし(U0.2程度以下)、

(3)   外からの水蒸気が入らないようにするためという事と、換気が機能するために高いレベルで気密性を確保し(C0.2以下)、

(4)   室温を高くしすぎないようにし、

(5)   相対湿度を5060%程度に保つ。

ということをしなければいけません。

 

ただ、窓の表面結露の中でも一番最優先にすべきは

U1.0以下の樹脂か木製サッシ(窓)を採用する

ことです。

もちろん、その他が出来ていないと快適性が落ちて

経済性が良くない家になってしまいますし、逆に他が

できていても性能の良い窓をチョイスしなければ、

結露だけでなく、やはり良くない室内環境を生みやす

くなり、ランニングコストが多くかかってしまう家づ

くりになってしまいます。

 

ここで、樹脂アルミ複合サッシのトリプルじゃダメ?

という質問を受けることがたまにありますが、原則

ダメです。

なぜならば、ほとんどの複合サッシは屋外側がアルミ

屋内側が樹脂になっているのですが、その断面を見た時

躯体の木部とアルミ部分が接してしまっています。

アルミは熱伝導率が高く(温度の高い低いの影響を受け

やすい)、冬場はかなり冷えて窓を囲っている木下地へ

結露リスクの影響を与えてしまうからです。

もし採用するとしてもかなり入念に結露計算と検討を行い、

結露防止のための特殊な施工手法をとらなければ躯体の

腐食を招いてしまいます。

それでもリスクが高いので積極的にはおすすめしません

が...

このことは後日別枠で詳しく取り上げていこうと思います。

 

サッシ(窓)の選定はかなり優先順位の高い重要項目

になりますので、正しい知識を持っている人に、詳しい

選定・検討手法の説明を受けて採用することをおすすめ

します。

 

 

 

 

以上、今回は結露の基礎と表面結露について話しをさせて

いただきました。

次回は完全に目に見えない内部の結露と結露計算について、

より細かく計算根拠をお見せしながら話していこうと思い

ます。

楽しみにしていてください!

 

*********************

*********************

*********************

 

この他の家づくり全般に関する大切な話を少しでも早くに

詳しく直接聞きたいという方はぜひぜひ、お早めにお問い

合わせの上、ご予約ください!

 

 

*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*

Increase the quality of your LIFE.

世界基準の家づくりを推奨する
有限会社 快建築舎

【標準仕様】
長期優良住宅認定取得
耐震等級3+制震システム
☆HEAT20G2
G3クラス以上の断熱Ua0.180.36
全棟気密測定0.3以下/年間平均0.13
1種全熱交換換気システム
土地探しのご相談も
☎︎
  0948-52-3507
  info@kai-home.jp
*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*

<!--[if gte mso 9]> <w:LsdException Locked="false" SemiHidden="tru